本編3部16章感想 環くんの話

 環くんさ、そーちゃんの前で態度を選んだというより、言葉を選んだんだよね。金持ちのそーちゃんは俺の知らない奴、と思いつつも、その俺とは違うそーちゃんに合わせて、コミュニケーションの取り方を変えた。クズとやらに対しては気の一切を遣っていないだろうけど、そーちゃんに対してはこういうふうに話すのがいいって自分で考えてそうしたんだよね。
 最初っから知ることや分かり合うことを諦めてたら寂しくないよね。そりゃそうだよね。環くんは寄り添いたいから寂しいのだ。そして、寂しいって自覚したけど寄り添うことをやめなかった。こんなに優しい男を逢坂壮五がみすみす無下にするわけがないだろ。おとなしく17章を待つ。

 あと「真っ青」なそーちゃんを一人でラジオへしっかりと送り出した、四葉環の逢坂壮五に対する信頼、すごすぎてひれ伏すしかなかった。環くん、2部では自分がそーちゃんに思うより信頼されていなかったことを知ってショックで泣いていたのに。環くんがスパダリなのってほんとこーいうとこだよな。
 2部を読んだ時にショックだったのは、そーちゃんが倒れたことについて環くんがずっと負い目を持っていて、それがそーちゃんに対して「悩んでるなら俺に話して」って言えない原因になっていたことで、しかもそれがそーちゃんに一ミリも伝わらなかったことなんだけど、愛やなんかって、シャンプーポンプと同じ仕組みだからな。注がれたぶんだけ注げるようになる。環くんはそういう方法で、誰に理解されることもなかったその傷をこれから乗り越えるのか。

(追記)夢のある話をする。そーちゃんが父親に対して“ずっとそうしてきたから自然とああなる”ように、環くんもそーちゃんに対して“ずっとこうしてきたから自然とああなった”のかもしれない。そーちゃんが家にいた時間ほどではないけれど、並び得るくらい、初めは意識的に、そして毎日必死に。環くんは本当に、そーちゃんが安心してニコニコしているところが好きなんだな……。