真夜中の守り人

 なんだか布団が重たくて、真夜中なのに目を覚ました。部屋は別に暑くない。そーちゃんがぽかぽかしてるんだ。
 すうすうと寝息を立てるそーちゃんを観察すると、ほんの少しだけれど、眉の間に力が入ってる。おでこに指を差し入れたら、汗で濡れてしっとりしていた。ふうっとかかる息が熱い。そーちゃんが俺よりあったかいなんて、異常事態だ。
「……ん、う、うぅ……」
「あ、そ、そーちゃんっ」
 そーちゃんがうめき出したから、慌てて肩を揺すって起こした。ゆっくりまぶたを開いたそーちゃんは、驚いているはずなのに、ぼんやりしている。
「そーちゃん、どした、しんどい?」
「……あ、なんだか、おっきな……」
「おっきな?」
「……蒸しまんじゅうから出られなくなる、夢を見ていて……」
 びっくりしたなぁ……なんて、そーちゃんは他人事みたいにつぶやく。こんなにぽやぽやしてるなら、急いで手当てしてやらなくちゃ。
「ひえぴた貼ろ。おでこ、ぺろんってして」
「はい……」
 ぽやぽやしたまま、言われるがままのそーちゃんが、両手で前髪をまくり上げる。汗を寝巻きの裾で拭ってやって、冷感シートをぺたっとのせる。朝になる前に気付いてよかった。
「そーちゃんの目覚まし、止めていい?」
「ええと……」
「ちょっと寝坊しな。起こしてやっから」
「……はい」
 聞き分けがいいんだか、言い返す気力もないんだか。心配だけれど、まずは眠らせてあげよう。明日は七人揃ってでの収録だから、絶対に穴を開けたくないはず。
「そーおちゃん」
「はい」
「なんで敬語なの」
「反省してるので……」
「はは」
 そんなに落ち込まなくていいよ、って笑って頭を撫でてやる。俺が助けられるくらいなら、可愛いもんだ。
「見ててやるから、もっかい寝な」
「うん……」
 頑張りすぎないのが一番だけど、うっかり頑張りすぎちゃっても、平気だよ。すぐに支えて、守ってあげる。