寒い夜にどうぞ

 布団をめくったら、そーちゃんがいた。
「あ、温めておきました……」
「ふは。なーにそれ」
 ウケながら隣に潜り込むと、ちっちゃく丸まってたそーちゃんも脚を伸ばして、俺にくっつく。
「おどかそうと思ったの?」
「そういうわけじゃないけど……急に寒さが戻っただろ」
「一緒に寝たくなっちゃったの?」
「……今日は寒いから、なんて言い訳つけるの、恥ずかしくて」
 それでトツゲキしちゃったの? 頬が緩みっぱなしになるけどかまわない。ニコニコしながらそーちゃんを撫でると、小さな頭がぽかぽかになる。
「今日、きちんと湯船で温まったから」
「えらいじゃん」
「そうじゃなくて、温かいものも飲んだから」
「うん? えらいじゃん」
「そうじゃなくて……」
 もどかしそうに唇をとがらせながら、胸にぎゅっとしがみついてくる。どうしたどうした、と頭を撫で続けていたら、腕を取られて、背中に回す格好にされた。
「ぎ、きゅっとしていいよ」
「そーなん?」
「今日はいつもより、温かいと思うよ」
 ほんとだ。頭も身体もぽかぽかだ。だけど、そーちゃんが俺のために一生懸命、温めてきてくれたからってだけのおかげじゃないと思うな。 俺の湯たんぽになりたかったそーちゃん。お望みどおり抱きしめると、もこもこのパジャマで抱き返してくれて、保温効果は抜群だ。
 自分を大事にするのはちょっとヘタクソだけれど、俺のために頑張るのはできるんだから、恋人になってよかったな、なんておかしなことを思ったりした。