冬暁

 ちょっと早く目が覚めたから、そーちゃんを驚かそうかなと思ったけど、廊下に出た時点でくじけた。
「そーちゃあん……」
「ん……な、なに」
 そーちゃんの布団に押しかけると、まだ寝ぼけているそーちゃんが、もそもそとスペースを空けてくれる。わけが分からないだろうに、優しいから可愛い。
「おはよ」
「……おはよう? どうしたの」
 寝起きのいいそーちゃんの目が、もうぱちくりとして俺を見る。朝一番にそーちゃんの瞳に映ったのが俺か。なんだかいい気分になる。
「起こそうと思ったんだけど」
「起こしてくれたんじゃないのか?」
「やっぱ一緒に寝る」
「こら。めずらしく早起きだと思ったら」
 ぴと、と冷たい足をくっつけたら、すすす、と逃げていった。手をほっぺに当てたらどうかな。いたずらのつもりだったのに、今度は包んで温めてくれる。
「あと五分だけだよ」
 やった、五分もひとりじめしていーんだ。嬉しくて我慢できなくて、ちゅっと小さくキスをしたら、照れくさそうに笑ってくれた。